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その十二

 ミケランジェロの『最後の審判』やラファエロの『アテネの学堂』
などが、代表として知られているフレスコ画。古くは、フランスのラ
スコー洞窟の壁画も洞内の炭酸カルシウムが保存効果を高めたとして、
天然のフレスコ画とも呼ばれています。

 漆喰を使って描かれる絵画が、なぜフレスコ画と呼ばれるようにな
ったかというと以下の通りです。フレスコとは、イタリア語で「新鮮
な」という意味を持っています。つまり、壁に塗った漆喰が、まだ
「フレスコ」な状態、生乾きの間に水や石灰水で溶いた顔料を使って
描くので、こう呼ばれるようになったのです。

 ところで、原料の漆喰ですが、もともとは建築材料として知られて
いますね。防水性や調湿機能に優れているので、古くから土蔵や家屋
の土壁の上塗り材として活用されてきました。昔の風情を残す蔵の町
などに行くと目にしますね。また、接着や目地の充填に使われること
もあります。

 歴史を紐解けば、多くの城郭に使われてきました。室町時代末に来
日した宣教師イスマン・ルイス・ダルメイダは、奈良の信貴山城を訪
問した際のことを以下のように伝えています。「今日までキリスト教
国において見たことがなき甚だ白く光沢ある壁を塗りたり。其の清潔
にして白きこと、あたかも当日落成せしものの如く、天国に入りたる
の感あり。外より比城を見れば甚だ心地よく、世界の大部分にかくの
如く美麗なるものありと思われず」と。また、高松塚古墳の壁画にも
使われていたといいますから、漆喰は日本でも、とても長い歴史を持っ
ているのです。

 この漆喰を製造する際に欠かせないのが、「麻」なのです。漆喰は、
石灰に麻の繊維を加え、さらに草本や海藻から取れる接着剤や水など
を混ぜて練り上げてつくられます。この「麻」が、微妙な調湿効果を
生み出しているのかもしれません。石灰に「麻」を混ぜるなんて、ご
先祖様は、なかなかのアイディアマンだったのですね。

 戦後は、在来工法の普及によって急激に衰退した漆喰ですが、最近
は、調湿機能や見た目の美しさから再評価されているようです。また、
土蔵の海鼠壁(なまこかべ)や古民家の鏝絵(こてえ)などを通じて
文化的にも注目されています。そんな漆喰を支えるわき役として、
「麻」は縁の下でしっかり力を発揮しているのです。

さて、いかがでしたか。次回もどうぞ、お楽しみに。
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